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下村式 唱えて覚える カタカナ アイウエオ
下村昇・著/ 永井郁子・絵/ 絵本塾出版・刊 / 1500円(税別)

 
『「お母さんと先生方へ」カタカナの口唱法法と文字学習のポイント』から
 
文字への興味は早い方がよい
 
次のような調査結果があります。
『入園前に文字についての興味を持たせれば、読みだけでなく、書きの習得率も高くなる』(『幼児の文字調査』現代子供と教育研究所・東京・豊島区から)すなわち、早く興味を持てば、それだけ文字を覚える率も高くなるというのです。
 
カタカナの特色
 
カタカナは、外来語や外国語・外国の地名・人名、擬音・擬声語、動植物名、発音記号、ふりがな、電報文など、限られた場合にしか用いられません。しかし、実生活の中では外来語や外国語はいたるところに氾濫しています。ですから、これらの言葉は毎日耳にし、絵本の中でもたくさん使われ、読む機会も、書く機会も多いものです。それゆえ、この言葉はカタカナで表記するのだというセンスは養っておきたいものです。
 
カタカナはひらがなと違って、直線が多く、字形が単純なのが特徴です。しかも、筆勢と、文字を書くときに大切なリズムからみた画数は、ひらがなが三画・四画のものが多いのに比べて、カタカナには四画のものは「ネ」と「ホ」だけしかありません。
 
一画のもの…ノ・フ・ヘ・レ
二画のもの…ア・イ・カ・ク・コ・ス・セ・ソ・ト・ナ・ニ・ヌ・ハ・ヒ・マ・ム・メ
・ヤ・ユ・ラ・リ・ル・ワ・ン
三画のもの…ウ・エ・オ・キ・ケ・サ・シ・タ・チ・ツ・テ・ミ・モ・ヨ・ロ・ヲ
 
ですから、文字の運筆(筆の運び方)の基礎練習には最適なのです。それなのに、学校ではひらがなから教えます。そして、カタカナは一年生の二学期から二年生の一学期ごろまでに指導することになっています。
 
日本文の場合、『書きの練習』についてはカタカナから始めた方がよいようです。鉛筆の持ち方、筆圧のかけ方、字形のとらえ方などは、初めて文字を書く練習に入る子供には基本的な練習です。字形一つをとってみても、ひらがなよりカタカナは単純でわかりやすい構成です。また、カタカナは漢字への導入でもあります。面白く、楽しく学ばせると、すぐ覚えてしまいます。
 
『口唱法』による書き方の練習
 
まず、この絵本によって、カタカナで書く言葉のいろいろを覚えさせます。絵本の絵を指さしながら発音させます。繰り返しているうちに字形を覚えますし、一字一字の字形を覚えるころには唱え方を覚えます。そうなるまでは書かせないでください。
 
口唱法は、口で唱えながら筆順を覚える学習法です。
「ア」でしたら、よこぼう はねて ななめに ぴゅう
「イ」でしたら、ななめに ぴゅう たてぼう とん
 
こう、口で唱えながら書かせましょう。その時、手拍子、カスタネット、タンバリンなどを用いると、なお楽しくなります。
 
「ぴゅう」はすうっと伸ばして、払うことをあらわします。
「とん」は、力強く押えて、止めることを表します。
 この二つの筆使いの要領を教えて、よく呑み込ませてください。
 
カタカナの練習で「字形」と「筆使い」について注意するのは、次の九種です。
十分気をつけて指導してください。
①「シ」と「ツ」      ②「ソ」と「リ」      
③「ク」と「ケ」       ④「ヒ」と「セ」      ⑤「チ」と「テ」
⑥「シ」と「ン」と「ソ」  ⑦「ア」と「ヤ」と「マ」
⑧「マ」と「ム」と「ス」  ⑨「フ」と「ワ」と「ク」
 

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