あらためて、母と子の信頼関係を知るために

「ママ、ここのところ ちょっと切っちゃった」 「どれ どれ、大丈夫、大丈夫」 お母さんは血の滲んだ子どもの人差し指を口に含んで、ちょっと吸ってやって直してやります。 すると、子どもも安心した顔をして、また遊びの輪に戻っていきます。 薬をつけてやったわけでもないのに、不思議ですね。 これは父親とではなく、まさしく母親との間で生まれる絆なのです。


そんなとき この本を

あたたかいおくりもの

たるいし まこ・作 / 福音館書店・刊


本からのヒント
動物たちのところに、森の木から葉っぱの手紙が届きます。りすのところには「今年の冬はとってもさむくなりそうです。クリスマスプレゼントにはセーターを編んでくれませんか」と書いてありました。りすは毛糸が足りないので膝掛けをほどいてセーターを編みました。うさぎは青い毛糸しかないのでクッションの綿をたして編みました。いのししは古いセーターをほどいて編みました。森の木からの手紙に、動物たちは一生懸命に応えようとします。なぜでしょう。一年間、四季折々に食糧としての木の実をつけ、楽しい日々を過ごさせてくれた「母なる森の木」への感謝の気持ちがそうさせるのす。そこには、子が母にもつ信頼感、母と子の絆のようなものがあります。この本は愛らしい絵と共に、優しい心を伝えてくれます。


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