友だちを大切にできない子、 自分勝手な言動ばかりする子、自信家で 心に温かみのない子、 わが子もそんな子なのではないかしら… なんとなく気づいても、 自分の子どもが感じ入るように、話して聞かせることは 難しいことです。 わが子も、相手を思いやり、 支えることのできる人になってもらいたい…
本からのヒント
親ともなると、つい、つい〈だれよりも勉強ができるように、だれよりも強くなれるように…〉と、そんな言葉を口にしがちです。このお話でも、アツークは可愛がっていた犬がオオカミに殺され、復讐の念をいっぱいに、ただ強くなることだけを目標に大きくなります。やがて、オオカミを倒す日はやってきましたが、うれしいどころか、かえって前よりも悲しい気持ちに襲われるのでした。そして、自分にとってかけがえのない相手とはだれか、自分はその相手にとって必要な存在になっているか、自分を支え、自分の支えを必要としてくれる存在があってこそ真に心豊かに生きていけるのだと知ります。毎日の生活の中で失われがちな生の真価について問いかけてくれる深い深い内容の絵本です。