長子のつらさを理解するために

「お兄ちゃんなんだから、もっとしっかりしなさい」 「妹は赤ちゃんでも、あなたは もう おねえちゃんでしょ」 「お母さんは、赤ちゃんのお世話で 忙しいの。 自分でやりなさい」…… なんてことばを、吐いていませんか?


そんなとき この本を

ぼくは おにいちゃん

小野洋子・作 / いもとようこ・絵 / 佼成出版社・刊


本からのヒント
兄弟で上の子は、生まれてきた順番だから仕方がないとはいえ、(なぜ、ぼくがお兄ちゃんをやらなきゃならないんだ)と思うことが、一度ならずあるようです。
このお話の、子猫のノンタもそうです。五匹の赤ちゃんが産まれてから、お母さんも今までのように遊んでくれません。散歩に連れてってと頼まれたことをいいことに(そうだ、この子たちをすててきちゃおう。そうすれば、ぼくだけかわいがってもらえるもん……)
ところが、やはりお兄ちゃんなのです。「おにいちゃーん」と泣かれると(そうか、ぼくはお兄ちゃんなんだ……)と、なるので
す。
子供心にそれなりの苦しみを乗り越えて成長していく様子をわかって上げるための絵本です。


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