本からのヒント
訳者のあとがきに「この本は西洋と東洋の距離の間にこそ咲いた幻の怪しい花という印象を受けるのですが、いかがでしょうか」とあります。
この物語は、ベトナムからイギリスに迎えた養女のために書かれたものだそうです。新しく親子のちぎりを結ぶに当たって、人の世で幸せをみつける術を語ったのだということです。
そんなお話と相まって、絵の美しさも見事です。近年、多国籍的ファッションやインテリアが流行していますが、この絵本のモチーフからは、いろいろな画風を感じ取ることができます。文章からは、日本語の美しさをも、改めて知らされることでしょう。
テレビのスイッチを消して、現実の騒々しさからあなた自身を解放してみるに値する絵本です。